事故により脊髄損傷になられたK様邸のマンションをバリアフリーに改修する設計及びバリアフリー工事をさせて頂きました。
当初はご両親からご相談を頂き、事故にあわれたK様に直接病院でお会いして設計を進めました。
度々お伝えしていますが、私は「心のバリアフリー」という考え方をお伝えしてバリアフリー工事を提案しています。
→心のバリアフリーについてのページはこちら。
単にバリアフリー工事を行うのではなく、心の面からサポートを行い、バリアを無くすことを目指した仕事をさせて頂いています。
→阿部建設のバリアフリー工事提案はこちらのページ
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ご相談を受けた際、既に他社で設計及び見積も済んでいる状況でした。
しかし、バリアフリー改修図面を見せて頂くと、不十分だったり、使いずらいと思われる部分が見受けられました。
K様の状態やお話をする様子を見ると、もう少し良い提案ができそうでしたので、その場で他案を提案することにしました。
ご覧のトイレは既存スペースに加え、居室の一部スペースを使い広げて設置しました。
トイレ内にはK様が使う作業スペース(洗面、手洗いなど)も設けました。
工事は設備を改修する必要もあり生活しながらの工事は困難なため、1週間ほどマンションを空けてもらって工事を進めました。
またマンションの場合、マンション組合への申請・工程調整、工事車両の駐車場確保、備品の搬入、上下階及び両隣への挨拶など調整を図る必要があり、注意が必要です。
また病院のドクターや理学療法士、作業療法士などとの調整、打ち合わせも必要となります。
更にバリアフリー工事は障害者、介護保険などの補助金工事申請も必要となり、多方面との調整を図り設計、工事を進める必要があります。
今回の工事では退院時期が迫ってきていたため、短い時間で設計・調整を進め、工事期間も1週間程度で済ましました。
結果的には提案内容が他社より少し多かったため見積額も増えましたが、K様からは「よくやってくれた」 「使ってみて問題はない」などの声を掛けて頂きました。
K様及びK様ご家族がこれから社会復帰する一助となれば幸いです。
障害者や高齢者の改修は一人一人障害の程度や予算も異なるため、毎回全神経を使ってベストな使い方、改修案を考えます。
また、当初から完全な改修を目指すのではなく、60~70%程度の完成度と考え、不具合があった場合徐々に改修を加えていくことをお勧めしています。
これからもこうした仕事を通じ、障害者や高齢者は勿論のこと、その方々を支えるご家族などが暮らしやすい住宅や改修に携わっていきたいと思っています。